医療法人社団 鈴峰今中医院

広島市西区の内科・小児科・婦人科・産科クリニック。鈴峰今中医院です。

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腹帯

FAQ

腹帯

Q.腹帯をする必要がありますか?

A.

結論から言うと、腹帯をする理由はないと考えています。

当院では腹帯を着用する指導はしていませんので、妊娠5か月の戌の日に腹帯を着帯する行事もしていません。

しかしながら昔からのしきたりや風習も大事ですので、妊娠5か月の戌の日にそれまで無事に育ったことの喜びとその後の無事な分娩を祈念してご家族でお祝いすることは意義のあることだと思います。

そもそも人間も動物ですので、腹帯の力を借りなくても妊娠維持や分娩ができる体になっています。

事実、日本以外の国では腹帯をしなくても、ちゃんと分娩しています。

妊娠5か月の戌(イヌ)の日に腹帯を捲く習慣は、日本独自のものです。

犬は軽いお産でたくさんの赤ちゃんを産むことより、安産を祈念して妊娠5か月の戌の日に腹帯を捲く習慣が出たようです。

あくまでも習慣で、医学的・科学的には腹帯により安産になる根拠は全くないと考えています。

1.胎児が大きくなりすぎないように、きつく腹帯を巻く必要があるか?

答えは必要ありません。

腹帯をきつく巻くと、大静脈といって背骨の横を通っている大きな静脈を圧迫することになります。

その結果、循環が悪くなり足の浮腫や静脈瘤(静脈が大きく膨らんで浮き出る状態)が出現します。

また大動脈も圧迫される結果、腎臓への血液の流れが減少します。

腎臓への血流を確保するために血圧を上げる必要が出てきますので、腎臓からアンギオテンシンという血圧を上げるホルモンが分泌されます。

その結果、母体は高血圧となり危険な状態となります。

腹帯をきつく巻くと胎児が大きくならないのは事実のようですが、これは胎盤への血流が悪くなり胎盤機能不全による発育障害の結果だと考えています。

腹帯をきつく巻くことは、むしろ母体にも胎児にも危険な状態と考えられます。

2.分娩後にお腹がゆるんで元に戻らなくなるので腹帯をきつく巻く必要があるか?

この答も必要ありません。

分娩時には、胎児を娩出するために骨盤の底の筋肉が弛んでいます。

そのような状態で腹帯をきつく巻くと、お腹の中の圧力が骨盤の底の方に集中しますので、骨盤底筋肉の回復が悪くなります。

その結果、尿失禁、痔、子宮脱などの原因となります。

いずれにしても、人間も動物である以上は自然に分娩やその後の妊娠に向けての回復ができる体になっていますので、腹帯の力を借りずに自然体で臨まれたらよいと思います。

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